2017.10.18 はじめの一歩

TOLO PAN TOKYO

’’ あれっ、ひとり? ’’

あたしはカウンター越しにひとりの女の子に目を留めた。

いつもはお母さんの横にお澄まし顔で立ってた子。

もしかして、、と

窓の外に目をやると、お母さんの姿が控えめに半分ほど見えた。

そうか!

今日は彼女のはじめの一歩の日なんだ。

彼女はお母さんがいつもそうするように、わき目もふらずパン・ド・ミの棚の前に進み、

つま先立ちで6枚切りを1斤取ると、伏し目がちにレジの前にやってくる。

あたしは、「今日は一人なんだね。」なんて野暮なことは言えなかった。

だって、その硬い表情からはちっちゃなピンクのハートがね、ドキドキ速打ちするのが手に取るようにわかったから。

きっと、一秒でも早く、お母さんの元に戻りたいはず。

だから、お釣りと一緒に「おまけね。」ってちっちゃいパンを入れてあげるにとどめたの。

 

その後は、時々一人でパン・ド・ミを買いに来るようになった彼女。

まだ、心を開いてくれそうなキザシは見えないけれど、ほんのちょっとだけ口元が緩む瞬間はある。

あたしは少しずつココロの距離を縮められたらなって思う。

息を吹きかけただけで壊れてしましそうなガラスのハートの持ち主だろうから。

 

彼女みたいにトロパンではじめの一歩を踏み出すおチビさんは何人もいる。

まずは、ママやパパと一緒に、レジでお金を払う練習。

荷物置き用の椅子に上って、「はいどうぞ。」ってお金を渡してくれるから、あたしは『お釣りとレシートです。」ってそぉっと小さな手にまずはお金を、そしてレシートを握らせてあげる。こんな時、大人なら手のひらを出すんだろうけど、おちびさんたちはお金の上に手をかぶせてくるのね。だから、落っことさないように、あたしは自分の手のひらを下に重ねてゆっくりゆっくり。

さて次は、やっぱりママたちに手伝ってもらいながらパンをつかむ第2ステージへ。

これはなかなかにムツカシイ課題と見えて、しばしば事件が起きるのね。けど、失敗が人を育てるのだから、そこは目をつぶって、、、、、、、と。食べたいパンと食べられるパンの落差に苛立つ姿もあったりね。

こうした幾つかの段階を経て、最終ステージが一人でトロパンデビュー!となるわけ。

please come in!!!

 

あたしたちはみんなのこといつでも待ってます。

おいしいパンと一緒にね^^

 

次回はお待ちかねのあの商品が紹介できるかもよ。