2017.08.02 夏のトビラ(P&B JAPAN 2017)

TOLO PAN TOKYO

先月の半ばごろ、トロパンの小さな厨房にFMI社から真新しいコンベクション(風を送ったり、スチームをかけたりできるオーブン)が運び入れられた。

みなさんご承知かとは思いますが、とにかく小さな店内につき、カウンターやら何やらの大移動の末、何とかねじ込んだかたち。。

そしてこの時が、田中シェフの新たな挑戦の幕開けだった。

閉店後、あるいは定休日、誰もいない厨房にほっそりした、でも力の漲る背中が一つ。時には、小さな暖かそうな背中も一つ。コンベクション内で刻々と姿を変える生地の様子を見つめる田中シェフと、それをアシストするルミさんのそれである。

従来はハード系山型食パンの焼成には不向きとされてきたコンベクション。その定石を覆して欲しい、というのがFMI社からの依頼だ。FMI社としては、それを武器に販路拡大を狙っていた。トロパンでも平釜で焼いてきたパンである。故に、なかなかに手強い課題だ。さらに、タイムリミットも設定されていた。

7/31〜8/2開催のパティスリー アンド ブーランジェリー ジャパン2017(東京ビッグサイト)に出店するFMI社ブースでのデモンストレーションが決まっていたのである。

失敗はできない。あんなにみんなにお願いされちゃったら、頑張るしかないでしょ。(田中シェフ)

ある夜、田中シェフは語った。

「ここまでやる必要はないのかもしれないけど、今できることは全てやり尽くしておかないと、後で後悔するから。全力を注いでそれでもうまくいかなかったのなら、現実を受け入れられる。」

極限まで努力できるっていうのは才能の一つだ。一流になればなるほど、その才能が意味をなす。

本番前日の深夜まで、田中シェフはトロパンの小さな厨房で試作を続けていた。その傍らには小さな背中も。

 

さて、当日の朝。田中シェフの顔は晴れやかだった。

「ドキドキだけどねー。もうあとはやるだけやね。」

迎えの車に荷物を積み込み店のスタッフに見送られ、田中シェフとルミさんは会場へ向かった。

年に1度あるかないかの田中シェフ不在のトロパン。バタバタと何とか無事に1日を終え、照明をおとして後片付けをしていると、、、

「田中さ〜〜〜ん!!」そう、田中シェフがドアの隙間から滑り込んできた。

「どうでした!?」

『いっぱい人が来てくれたよ。FMIの人も喜んでくれたよ!」と、初日の様子を楽しそうに話してくれた。店の方も無事に1日を終えたことを知ると、安堵の様子。

「あした、行きますからねーーーっ」とあたし。

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というわけで、あたし的には久々に電車で遠出です。

P&B JAPAN 2017 @東京ビッグサイト 第2日目 訪問記のスタートです^^

初めての場所にキョロキョロしまくりTSUJI  KIKAIのブースを目指す!(なんでっっっっっ???)

巨大なそのブースの真ん前がささやかなFMIブースだと聞いていたからよ。

目標物は間違っていませんでしたよ。赤と黒のジョエル・ロブションばりのシックでゴージャス感漂うブースは、遠くからでも見に入ったもの。

で、そのお向かいだから、、、と視線を移すと、、、、、

発見!!!おなじみの白地におっきな赤のドット柄のサイクリングキャップ。

早速田中シェフととルミさん、FMI社の方にご挨拶。

ずらりと並んだハードパンと、山食の向こうに、準備中の田中シェフとルミさん

で、ブースに並べられら現場で焼いたカンパーニュを見て、あたしは大成功を確信よ。だって、あたしたちは唯一ここまでの道のりを知っているんだもの。

力強いカンパーニュ

しなやかな手つきで次々とバータールにクープを入れる

美しく焼きあがったばかりのバタール

すごい、すごいとはしゃぐあたしに田中シェフは、「ギリギリまでやっといてよかったヨーーー」と。

そんなやり取りの後、いよいよあたしもデモを見学。

デモ開始のアナウンスがされると、ゾクゾクとギャラリーが集まってきました。首に下げたカードを見ると、ベーカリーはもちろん、開業予定者、カフェレストラン関係者、パティスリーなど多種多様。

FMI社のMCと田中シェフのトークが始まるとさらに人垣は厚くなり、前列の方たちの目は真剣です。

今回紹介するUNOX  BAKERTOPで標準装備の自動洗浄機能をアピールするために焼いた、タンドリーチキン

が焼き上がるとブース内には美味しい香りが漂い始め、さらに3重、4重の人だかり。

来場者に語りかける田中シェフ

焼きあがったタンドリーチキンのオープンサンド(カンパーニュと共に)

そんな中、ド・シロウトカメラマンのあたしは、あっちにウロウロこっちにウロウロしながら、現場レポートのためとパチリ、パチリしてみます。ところが、集まってくれた皆さんの表情を写そうとすると、どうしても

お向かいのTSUJI  KIKAIの立派なサインが入ってしまい、まるでスパイじゃないか、、、みたいな展開。じゃあと、それを避けると今度はみさなんのおっきな背中ばかりが写ってしまうという有様なのね、、、

来場者の質問に答える田中シェフ

何はともあれ、

田中シェフは今回の大役を見事に果たしておられ、また新たなトビラが開いた感じ。

どんな環境でもどんな条件でも、工夫次第で美味しいパンは焼ける。

今日を機にあたしたちの田中シェフはみんなの田中シェフに躍進です。今後は、セミナー講師などの仕事も増えるかもしれないしね。

あたしたちが努力すべきは、田中シェフの作り上げてきたこのトロパンをしかっり守っていくこと。

それぞれがそれぞれの立場で。田中シェフが自由に羽ばたけるように^^

以上、現場からでした!