2017.03.21 香りの記憶

TOLO PAN TOKYO

嗅覚が研ぎ澄まされる夜道では、

通り沿いの庭先に咲く花々の香りが、季節を告げてくれる。

ここ数日は、濃密でいてわずかに鼻をすっと突き抜ける、爽やかな香りを楽しんでいる。

花姿は地味だけれど、ハッとあたしを振り向かせる沈丁花の香り。

 

香水が好きなあたし、カウンターごしに素敵な香りに出会うと、

ついお客様に聞いちゃうの。

「どこの香水ですか?」

みなさん、一瞬キョトンとするけど、ちょっと恥ずかしそうに教えてくれるんだな。

日本人のお客さまも、外国人のお客さまも、男性も女性もね。

で、わざわざタグとか、ボトルを持ってきてくれたりするの。

外国に行くと、すれ違う人々から、様々な香水の香りが漂ってくる。

日本に戻って、同じ香りに出会うと、たちまち旅の記憶が蘇る。

 

トロパン田中シェフにとって、カルダモンの香りは少年時代の思い出の香りなんだそうよ。

仲良しだったイラン人の男の子を思い出すんだって。

おうちに遊びに行くとカルダモンの香りがして、

塩炒りしたピスタチオとグラスになぜかちょびっとだけのオレンジジュースがおやつなんだって。

田中シェフのスパイス好きは、この辺りにルーツがあるのかしらね。

 

トロパンのCHOCO SPICE CAKE

TEHRAN テヘラン ¥1,500

そのお友達の出身地から名付けられました。

封を開けると、シナモン、アニスに続いて思い出のカルダモンの香りが広がります。

さらにクローブ、ナツメグと続き、めくるめくアラビアの夢の世界。

洋酒に漬けたクランベリーの甘酸っぱさと、エスプレッソ豆の香りをうつしたキャラメルの苦味が素敵にマリアージュ。

さらに、表面に散らしたカカオニブ(砕いたカカオ)のガリガリ感が刺激的。

クリスマスにシュトレンエピスにはまったあなたなら、きっとお気に召しますよ。

 

 

目黒川の桜もほころび始めています。

お散歩がてら、遊びに来てくださいな。